2017.06.21 | Design
初心者でも大丈夫!美しいデザインにするための4つのルール
こんにちは。kacikaです。
最近めっきりブログを更新していなかったことを猛省しつつ、今回はデザインをする上での基本的なルールについて紹介したいと思います。
これからデザインをはじめてみようとしてる方や、駆け出しのデザイナーさん向けの内容となっています。
デザインのルールについて説明する前に、まずはデザインの前提について少しだけお話しておきます。
デザインはあくまでも「手段」であり、「目的」ではありません。
これはどういうことかというと、例えばポスターやDMなんかを作る際に「カッコイイものを作りたい」なんて思いますよね。ですがそれはあくまでも結果の話であり、カッコイイものを作りたいがために伝えるべき情報が伝わらなかったり、省略されていたりしてしまっては本末転倒です。仮にそれでカッコイイものが作れたとしても、私はそれを正しくデザインしたとは思えません。
「デザイン=カッコイイものを作ること」では決してありません。あくまでも目的を達成させるためのひとつの手段にしか過ぎないのです。
また、「チラシのデザインを任された、さあ作ろう!まずは写真をここに置いて〜…」なんて方がたまにいます。
でも少し待ってみてください。いきなりデザインに入る前に、まずは情報の整理を必ず行いましょう。
整理してほしい情報の項目は以下の7つです。
─────────────────────
・それは いつ 伝えたいのか?
・それは 誰に 伝えたいのか?
・それは どこで伝えたいのか?
・それは 何を 伝えたいのか?
・それは どのように 伝えたいのか
・それは 目的は 何であるのか?
・それは どのような結果を もたらすのか?
─────────────────────
そんな時間ないよ、作ってる間に整理していけばいいじゃん!と思われる方がいるかもしれませんが、これを先にやってるのとやってないのとではその後の作業に大きな差が出てきます。
全体の概要をしっかり把握できていなかったために、情報をどこにどのような形で置いたらいいか迷ったり、クライアントの意図とは違うものが出来上がってしまい、最悪降り出しに戻ってしまうなんてことが発生してしまいます。実際、私も過去にこのような経験をしてしまいました。
こうならないためにも、まずは事前に情報の整理を必ず行ってください。整理することでどの情報を重点的に伝えればいいか、どのような表現方法が最適であるかが必ず見えてくると思います。あとはそれを実際に形に起こしていくだけです。
さて、そろそろ本題に入っていきましょう。
先ほど「デザイン=カッコイイものを作ること」ではないと言いましたが、もちろん見栄えをよくすることは私たちデザイナーの役目であり、多くの方がそれをデザイナーに求めています。
ではどうすれば見栄えのいいものを作れるのか。
実はデザインにはいくつかの基本的なルールがあり、それに則って制作することである程度のレベルまでクオリティを上げることができます。
今回は未経験者・初心者の方に向けて、特に覚えておいてもらいたい「4つのルール」について紹介していきます。
デザインにおける基本的なルール
- 1.整列のルール
- 2.近接のルール
- 3.対比のルール
- 4.反復のルール
1.整列のルール
これは複数の要素を配置するときに、上下左右のどこかを基準にして揃えてあげるという手法です。
下の図を見てみましょう。
写真と文章があり、これらを上下に並べたい場合、左のようにそれぞれの端が揃っていないと見栄えも悪く、どこか居心地の悪い気持ちになりませんか?
それに比べて右の方は両端がぴったり揃っているため、まとまり感もあり見ていて気持ちがいいですよね。
このように複数の要素を配置していく際に、どこかに基準を置きそれぞれの要素を揃えるように意識して配置してあげると、全体が引き締まって見え、作品の見栄えがグッとよくなります。これを整列のルールといいます。
基準をどこにおけばいいかわからない!という方は「グリッドシステム」を利用してみてください。
グリッドシステムとは、紙面の縦横に等間隔で配置した格子状のガイドを利用したレイアウト手法のことです。これは20世紀のヨーロッパで生まれ、モダングラフィックデザインを代表するデザイン手法として、現在も多くの現場で活用されている優れたシステムです。
設定したグリッドに沿って各要素を配置していくことで、全体にまとまりのある美しいレイアウトを簡単に実現できることがグリッドシステムの最大のメリットです。またグリッドを細かくしたり、大きくしたり、要素の沿わせ方を変えたりなどで自由度の高いレイアウトを作ることも可能です。
2.近接のルール
人間は近くにあるもの同士や、同じ形をしたものを、無意識的に1つのまとまりとして認識しようとします。これを「ゲシュタルトの法則」といいます。この性質を上手く利用することで、第三者に情報を素早く正確に伝えることができるようになります。
さて、では仮に下の図のようなマカロニのカタログがあるとします。
どのマカロニがどの名称であるか、瞬時に判別できるでしょうか?もし料理に詳しい人であれば簡単かもしれませんが、そうでない人はどのマカロニがどの名称を指しているのかわからず混乱してしまいますよね。「この形がTagleatelleだと思ってたけど実際は違ってた!」なんてことにもなりかねません。
次に下の図を見てみましょう。
どうでしょうか?どのマカロニがどの名称であるのか、瞬時に判別できるようになりましたね。
上の図と比べて文字を上に移動させただけですが、たったそれだけで複数の情報が整理され見やすくなったことがわかります。
このように同じ意味や関連性の高い情報を接近して配置し、1つのまとまりとしてグループ化していくことで、第三者に直感的に内容を理解させることが可能となります。その際に重要な点は「余白」を常に意識し、関連性が高いグループと低いグループとでは明確な余白の違いが出るよう心がけてください。
また上の図では位置関係だけでのグループ化でしたが、その他にも配色であったり、形であったりと、グループ化させる方法は様々なので場面に応じて使い分けるようにしましょう。
3.対比のルール
対比とは文字どおり、ある要素とある要素の間に明確な違い(コントラスト)をつけて情報を整理していくことをいいます。この手法は紙面をわかりやすく、かつ魅力的に仕上げるために欠かせないとても大事な手法です。
デザインにおける対比のさせ方は様々ですが、主に以下の4つの対比に分かれます。
- (1)大きさの対比
- (2)図と文章の対比
- (3)色の対比
- (4)余白の対比
ではこのような対比をどこに用いればいいかというと、情報を設計する中で「強調したい部分」と「そうではない部分」で分けていきます。
下の図を参考に見ていきましょう。
左の方はいかにもテキストエディターでそのまま文字打ちしただけのような味気ない印象で、それぞれの情報もどんな役割をもっているのかわかりづらいですよね。
比べて右の方はタイトルや見出し、説明文とそれぞれにコントラストをつけてメリハリをもたせているので、視覚的にも内容がわかりやすく魅力的な仕上がりになっていることがわかります。
このように各要素の内容や重要度に応じて適切な対比をつけていくことで、第三者へ素早く正確に情報を伝えることができます。
対比をつける際に気をつけるべき点は、明確な違いをしっかりと出してあげることが肝心です。あいまいな対比では効果が薄いばかりか、見る人によっては作り手側のミスとも捉えられかねないため、誰が見ても明確な違いがわかるようにしっかりメリハリをつけるように心がけてください。
また作業を進めていくうちに、当初一番目立たせる予定だった部分が他の部分と似通ってしまい、最終的にどれが一番伝えたいのかわからなくなってしまった!なんてことにならないように、ある程度まで進めたら一歩引いてみて、客観的に全体を広く見渡すクセをつけておきましょう。そのためにも事前に最初の情報整理・設計はキッチリ行っておきましょうね。
4.反復のルール
いよいよ最後4つめのルールですね。
デザインにおける反復とは、写真やタイトル、文章などの複数の要素に「ある一定の決まりごと」を設定し、それを全体にわたって適用させていくことをいいます。そうすることによって、要素に規則性が生まれ、全体に統一感をもたせることが可能になります。
では下の図を見てみましょう。
レザー製品のカタログのようですが、ひとつひとつの商品に対する見出しや説明文、写真の入り方がバラバラなため、内容も理解しづらく全体的に雑多な印象を受けます。
続いて下の図ではどうでしょうか。
全ての商品に対し1つのフォーマットで統一されて情報が配置されているため、パッと見で各商品の比較もしやすく、全体的にも統一感がありスマートな印象となりました。
このように複数の要素に「ある一定の決まりごと」を繰り返し使うことで、情報を見やすく、全体にまとまりをもたせることができます。
もちろんどんな要素にも反復を使えばいいというわけではなく、内容をきちんと理解し、同じ意味合いや役割をもった同一グループ内で使用することが重要です。また反復させるルールは企画書や雑誌、WEBサイトなど複数ページにまたがる場合においても効果的なので、合わせられる部分は徹底して合わせていきましょう。
ただしやり過ぎてしまうと今度は逆に単調で退屈な印象となってしまうため、内容に応じて各同一グループを細分化していき、バランスを見ながら反復のバリエーションを複数決めておくといいでしょう。
さて、以上がデザインにおける基本的な4つのルールとなります。いかがでしたでしょうか。
もちろんこれがデザインの全てではありません。時にはルールを破る方が効果的な場合もあります。ですが、知ってて破るのと、知らないで破るのとでは大きく意味合いが違ってきますよね。
まずはこれら4つのルールさえしっかり押さえておけば、経験やセンスがなくても美しいデザインをつくることができます。
これからデザインを初めようとしてる方、あるいは社内でちょっとした企画書を作りたい方などへ、ぜひ覚えてもらって活用していただければと思います。
【参考書籍】デザイン入門教室[特別講義] 確かな力を身に付けられる ~学び、考え、作る授業~ (Design&IDEA)
こちらの本の内容を参考にしております。これからデザインをはじめたい方に向けて丁寧にわかりやすく書かれているので、もっと詳しく学んでみたいという方へオススメの一冊です。